つくし保育園万倍園の野村先生にお話を伺いました。保育園看護師としての視点から、保育という仕事に携わる喜び、つくし保育園の魅力、将来の目標など、様々な話題を語っていただきました。
今号からは各事業所で実際に働く方に焦点を当てた社員インタビューをお届けします。今回は、つくし保育園万倍園の野村健太先生にお話を伺いました。つくし保育園万倍園は岡山市南区万倍にある保育園で、0歳から5歳までの子どもを保育しています。朝7時から21時まで利用できる企業主導型保育園となっています。
「一人ひとりの子どもを尊重しながらかかわれる環境」
マル よろしくお願いします。
野村 はい、お願いします。
マル 野村先生は、これまでにどのようなお仕事をされてきたのでしょうか?
野村 神奈川の大学を卒業後、神奈川にある子ども病院の内科で4年間、看護師として勤務しました。そのあと青年海外協力隊に参加し、1年間エクアドルで看護師として活動しました。帰国後は静岡に戻り、小児看護の大学教員として3年間勤めました。そして現在、つくし保育園に勤務して4年目です。
マル ずっと子どもとかかわるお仕事に携わってこられたんですね。
野村 そうですね。最初は単純に子どもが好きだから選んだ仕事だったんですが、病院で働く中で、子どもの病気は先天性や防げない原因でかかることが多いことを学び、そういった子どもたちを助けたいという思いが芽生えてきました。それが、子どもとかかわる仕事を続けている大きな理由の一つです。
マル 病院看護師から保育園看護師に転職しようと思ったきっかけはなんだったんですか?
野村 実は妻が以前、保育園看護師として働いていまして。そのときの経験談を聞いたことがきっかけです。子どもの成長や発達を間近で見られることや、妻が楽しそうに働いている様子に影響を受け、保育園看護師という職業に興味を持ちました。
マル 野村先生の奥様がきっかけだったんですね。つくし保育園に入社したのはどうしてですか?
野村 つくし保育園のホームページで目にした「未来のキミを育てる」というコンセプトに魅力を感じたのがきっかけです。そのあと、つくし保育園万倍園を見学した際、一人ひとりの子どもを大切に尊重しながらかかわれる環境だと感じ、入社を決めました。
マル つくし保育園に、そうした魅力があるというのはうれしいですね。では、野村先生のお仕事の内容を教えていただけますか。
野村 園長補佐としてデスクワークをメインに、園長に教わりながら日々の業務に取り組んでいます。また、看護師として、体調を崩した子どもや病児保育のお子さんの対応もおこなっています。
マル 園長補佐でもあり看護師でもあるんですね。お仕事をされる中で心がけていることはありますか?
野村 子どもたちや保護者、職員に対して、誠実に対応することを心がけています。特に子どもたちとかかわる際には、目線を合わせることを大切にしています。また、保育現場に入るときには、なるべく多くの子どもとかかわり、園児一人ひとりと向き合う時間を作ろうと意識しています。
マル 大切なことですね。
野村 それから、子どもたちの成長を感じたときは、保護者の方へそのエピソードをお話しするようにしています。
マル それはきっと保護者の方もうれしいでしょうね。業務を進める上で工夫していることはありますか?
野村 メモを取ることですね。今までに比べていろいろな人から話を聞く機会が増えたので、メモをとって取りこぼしがないように気をつけています。
マル 野村先生の仕事に対する誠実さがとても伝わります! 私も参考にしないとですね。
野村 ありがとうございます。
「子どもの成長に立ち合ったときは何よりうれしい」
マル お仕事の中で喜びを感じるのはどんなときですか?
野村 子どもたちが自分の名前を呼んでくれたり、私のところに来てくれたときです。子どもは大人の誠実さや真剣に向き合っている姿を感じ取っていると思います。そのため、子どもが自分のところに来てくれたときは、自分の向き合い方が認められたようで、とてもうれしく、報われた気持ちになります。
マル 先ほどおっしゃっていた誠実に対応するために心がけていることが、結果として現れたできごとですね。他にはありますか?
野村 子どもの成長に立ち合ったときは何よりうれしいですね。子どもたちは毎日、昨日の顔と違います。日々成長を実感するのがうれしいし、感動します。
マル 子どもたちの成長を実感するのはどんなときですか?
野村 例えば、初めて寝返りをしたり、歩き始めたり、言葉が増えたりするときです。保育園で働いていなければ、自分の子ども以外の成長に立ち会う機会は少ないと思います。そのため、そうした貴重な瞬間に立ち会えたときは、保育園で働いていてよかったと感じます。
マル たしかに、保育園ならではの経験でしょうね。子どもたちと接する中で、印象に残っているできごとはありますか?
野村 子どもたちは人の気持ちや態度を敏感に感じ取っているんだと気づかされたできごとがありました。心に余裕がないとき、態度には出さないようにしていたつもりだったのですが、4歳の女の子に「どうしたの?」と声をかけられたことがありました。
マル それはドキッとしますね!
野村 はい。そのため、子どもたちとかかわる際には自分の気持ちや態度に注意し、良い影響を与えられるよう心がけたいです。
マル 子どもは本当によく見ていますもんね。これまでに野村先生が考えた仕事上の工夫・提案で、採用されているものはありますか?
野村 保育園における看護師の業務内容や役割を、ある程度確立することができたと思います。園長補佐になるまでの3年間、看護師としてつくし保育園で働く中で、業務のあり方を見直し、整える取り組みを進めてきました。
マル それ以前は業務内容が確立されていなかったのですか?
野村 保育園での看護師業務は業界全体でも歴史が浅く、明確な業務内容が定まっていないため、園ごとに取り組み方が異なります。そのため、つくし保育園の看護師としての役割を明確にし、効率的に業務を進めることができるよう工夫してきました。
マル そういうことだったのですね! 3年間で保育園看護師の業務と役割を確立したというのは、かなりの尽力だったのではないかと感じます。
野村 ありがとうございます。今後は、園長補佐・保育園看護師として業務が増えていく中で、作業の効率化を図り、これまで以上に子どもとしっかり向き合える環境にしていきたいと考えています。
「仲間の先生方から学ぶことは本当に多いです」
マル では次に、つくし保育園で働く仲間について聞いていきたいと思います。職場のみなさんはどんな方々ですか?
野村 とても明るく、パワフルで、仕事に対してプロ意識が高いと感じています。目の前の子どもたちに真剣に向き合い、一人ひとりを大切にする姿勢を見せてくださる先生方の存在に、とても刺激を受けています。
マル 他の先生方の仕事ぶりから学ばれたことはありますか?
野村 例えば子どもの呼び方ひとつを取っても、必ず「くん」や「ちゃん」を付け、あだ名で呼ぶことはありません。また、どんなに忙しいときでも、子どもたちに話しかけられたら必ず目線を合わせて丁寧に応じています。私は保育士としての経験がないため、子どもとのかかわり方に悩むことがありますが、「他の先生はこんなふうにかかわっているんだ」と感心する場面が多く、そのたびに新たな学びを得ています。
マル プロ意識の高いつくし保育園の先生方からは、たくさんのことを学べそうですね。子どもたちとのかかわり方がうまくいかないときはどのようにしていますか?
野村 うまくいかなかったできごとを手帳に書き留めるようにしています。「〇〇がうまくいかなかった」「他の先生はこうしていた」「次はこんなふうにしてみよう」といった形で記録を残し、似た場面に遭遇した際に実際に試してみます。そして、結果を振り返り、改善点を見つけるようにしています。
マル トライと改善を繰り返されてるんですね。
野村 はい。この取り組みを通じて、少しずつ子どもたちとのかかわり方を学んでいます。仲間の先生方から学ぶことは本当に多く、悩んだときに支え合いながら、より良い保育を目指せる環境に感謝しています。
マル 野村先生の日々の努力がとても伝わります。では、つくし保育園に入りたての頃の自分にメッセージを伝えられるとしたら言いたいことはありますか?
野村 「もう少し周りを見て動いてください。自分勝手ではいけない」と伝えたいです。
マル いつも冷静に周りを見ているイメージの野村先生ですが、そう思うようになったきっかけはなんでしょうか?
野村 7ヶ月間の育休を取ったことがきっかけです。育休中、私が職場を離れたことでまわりの方々に負担がかかっていたと思いますが、それでもみんなが支えてくれて、仕事がしっかり回っていることを実感しました。この経験を通じて、私は一人で頑張っているわけではなく、周囲の人たちに支えられていると深く感じました。だからこそ、支えられていることに感謝しつつ、もっとまわりを見て動き、協力しながら仕事を進めていく姿勢を、あの頃の自分にも持ってほしいと強く思います。
「『ここに通いたい』と第一選択に挙げていただけるような保育園を目指します」
マル つくし保育園と他の保育園を比べて特に魅力的、ユニークだと感じる点はありますか?
野村 つくし保育園の「本物に触れる」という理念のもと、様々な活動をおこなっているところが魅力的だと感じます。
マル どのような活動をしていますか?
野村 サッカー、スイミング、英語、プログラミングをおこなっています。他にも、餅つき大会や節分といった季節の行事も充実しています。
マル 子どもたちの発達に良い影響を与えられる活動を多く取り入れているんですね。
野村 はい、他にも良い面があります。共働きの家庭では習いごとの時間を確保するのが難しいことも多いですが、保育園で多様な活動を提供することで、子どもたちがどの分野に興味を持つのかを知るきっかけにもなると考えています。こうした幅広い経験を通じて、子どもたちが自分の可能性を広げられる環境が整っていることが、つくし保育園のユニークなポイントだと感じます。
マル 自分の可能性を広げられる機会があるというのは、大事なことですよね。私たちもこの社内報作りが良い経験になっています。
野村 社内報「TTT」創刊号を拝見しました。読み応えのある、とても面白い内容でした。特に、社長に訊く「ダイシンのビジョン」を読んで、私の仕事に関連していると感じた部分がありました。
マル 読んでいただきありがとうございます。それはどの部分でしょうか?
野村 「周囲の人々に希望や憧れを与えられる存在になってほしい」という内容です。保護者から「うちの子が〇〇先生のような保育士になりたいと言っていた」と聞くと、その先生は子どもにとって希望や憧れを与える存在になれているのだと感じます。子どもたちは人の感情を敏感に感じ取るので、子どもたちにそのように思ってもらうには、誠実でいることが大切だと考えています。
マル 社内報を読んで、ご自身の仕事と関連する部分を考えてくださってうれしいです。では、野村先生の今後の目標を教えてください。
野村 まだ保育園での経験が浅い中で恐縮ですが、医療的ケア児を受け入れられる環境を作りたいという思いがあります。
マル とても興味深いので、詳しく教えていただけますか?
野村 はい。医療の発達により、これまで命を落としていた病気でも、社会復帰し家庭に戻れる子どもが増えました。それに伴い医療的ケア児も増えていますが、受け入れられる環境はまだ十分ではないのが現状です。実際に、つくし保育園に医療的ケア児の受け入れについて問い合わせをいただいた際、対応が難しいとお断りしたことがありました。そのときは申し訳ない気持ちとともに、「なんとかできないか」と強く感じました。いつか、そうした子どもたちやご家族を支える受け皿になる場所を作りたいと考えています。
※医療的ケア児・・・痰の吸引などの医療的ケアが日常的に必要な子ども
マル 保育園看護師ならではの素敵な目標ですね! 実現することを願っています。では最後の質問になります。この先、つくし保育園をどのような園にしていきたいとお考えですか?
野村 今よりさらに子どもたちも保護者の方も安心して通える園を目指し、子どもの成長を一緒に実感できるような保育園にしていきたいと考えています。
マル 今でも魅力溢れるつくし保育園ですが、そのようにお考えになる理由はなんですか?
野村 それは、保護者がつくし保育園を選ぶ背景にあります。通常、保護者が保育園を選ぶ際には、認可保育園を優先的に考えることが多いのが現状です。そのため、認可保育園に入園できなかった方が一時的に職場近くのつくし保育園を利用するケースが多くあります。また、保育士の採用においても、認可保育園での経験が重視され、企業主導型保育園(認可外保育園)が第一選択として挙がることは少ないのです。
マル そのような実情があるのですね。
野村 そうなんです。今後は、「認可保育園に入れなかったから仕方なく選ばれる園」ではなく、「つくし保育園に魅力を感じて通いたい」と思っていただけるような保育園を目指します。また、職員にとっても「つくし保育園でなら成長できる」と感じてもらえるよう、魅力的な職場づくりに力を入れていきます。
マル 私たちもダイシングループの広報としてつくし保育園の魅力を発信していけるように力を入れていきたいと思います! 素敵なお話をありがとうございました。
ニコ&マルの事業所訪問(6)では株式会社大真の物流業の方にインタビューしました! ぜひ、ご覧ください。